2022-01-11から1日間の記事一覧

インストラクショナルデザイン理論とモデル (ライゲルース他 2020)

「学習者中心の授業」と銘打つ「インストラクショナルデザイン」ではあるが、もともと授業というのは学習者が中心にいるものであり、それをことさらに言う必要はないように思う。 それよりも、重要なのは、学習者は自分一人では高度で複雑な学習に参画できる…

ことばの中の子どもたち (今井和子 童心社 1986)

概要 幼児のことばの実態を、収集する必要性は高い。遊びの中で自然に身につけていることばを観察し、その善し悪しを吟味しつつ、効果的な関わりを進めていくことが幼児教育に携わるものには必要だからだ。 本書は、そういう意味では一昔前の子どものことば…

動機づけ研究の最前線 (上淵寿 北大路書房 2004)

目次 第一章 「動機づけ研究」へのいざない 第二章 自律性と関係性から見た内発的動機づけ研究 第三章 自己と動機づけ 第四章 達成目標理論と最近の展開 第五章 自己制御学習 第六章 社会文化的アプローチ 第七章 動機づけ研究の臨床的展開 第八章 神経科学…

かかわりの教育学 (岡田敬司 ミネルヴァ書房 1993)

目次 序論 第一章 権力的かかわり 第二章 権威的かかわり 第三章 認知葛藤的かかわり 第四章 受容・呼応的かかわり 終章 概要 かつて、学校教育が社会学によって解体されたとき、学習者が潜在的に身につける身ごなしや考え方をヒドゥン・カリキュラムと呼び…

臨床教育学序説 (小林剛・皇紀夫・田中孝彦 柏書房  2002)

概要 本書は、「臨床教育学」に関する現在の議論や研究の成果が幅広く収められている。 京都大学を初めとする大学での取り組みを実例としてあげながら、その必要性と方向性を明らかにしている。「いじめ」や「不登校」といった顕在化した教育現場の諸問題か…

教育学がわかる事典  (田中智志 日本実業出版社 2003)

目次 第一章 学校という世界 第二章 子ども・少年少女・若者 第三章 社会の中の教育 第四章 国家の中の教育 第五章 学ぶこと・教えること 第六章 家族の変容 第七章 近代教育学の世界 第八章 新しい教育理論 第九章 現代の教育政策・教育実践 第十章 教育学…

質問力ノート  (ルパート・イールズ=ホワイト ディスカバー・トゥエンティワン 2004)

目次 第一章 よい質問が人に行動させる 第二章 会話に必要なのは「よい話し方」ではなく「よい聞き方」だ 第三章 よい質問は5W1Hを使ってつくる 第四章 質問することで説得できる 第五章 質問することで自分の意見を主張できる 概要 コーチングについて…

コーチング 人を育てる心理学  (武田建 誠信書房 1985)

目次 第一章 コーチの反省 第二章 コーチングの心理学 第三章 模倣・リラックス・イメージ 第四章 やる気の条件 第五章 コーチ雑感 概要 国語科を中心に活動を通して学ぶ学習を組織する傾向が高まっている。いうまでもなく、活動主義の授業を構想する場合に…

ファシリテーター・トレーニング (南山大学人文学部心理人間学科監修 ナカニシヤ出版 2003)

目次 第一章 学びを支えるファシリテーション 第二章 学ぶこと・教えることの仕組みを探る 第三章 学校教育ファシリテーションへのアプローチ 第四章 体験学習ファシリテーションへのアプローチ 第五章 教育ファシリテーションの応用と実際 概要 経験を通し…

図で考える人の図解表現の技術    (久恒啓一 日本経済新聞社)

目次 はじめに 第一部 図で考えるための図解表現 第一講 箇条書きを捨てて図解コミュニケーションの世界へ 第二講 マルと矢印だけで、全て図解できる 第三講 図解の基本は「大胆に、そして細心に」 第四講 タイトル、コメントは図解に不可欠 第五講 表現の工…

Reader's Handbook (Laura Robb & Ron Klemp & Wendell Schwartz Great source 2006)

概要 アメリカの中学生に向けて書かれた読むことをメタ認知するための参考書である。こういった学習者向けの参考書が日本にもあればと思うが、ジャンルごとにその目的や方法が具体的な文章に即して言語化されているところが魅力的だ。中学生向けに書かれてい…

メタ認知   学習力を支える高次認知機能 (三宮真智子 北大路書房 2008)

目次 第一章 メタ認知研究の背景と意義 第二章 学習におけるメタ認知と知能 第三章 知識の獲得・利用とメタ認知 第四章 学習方略とメタ認知 第五章 学習における動機付けとメタ認知 第六章 文章理解におけるメタ認知 第七章 数学的問題解決におけるメタ認知 …

教育フォーラム35 教育評価の課題を問い直す (人間教育研究協議会編 金子書房 2005)

目次 教育目標と評価基準を考える教育実践を導く評価の課題と展望ポートフォリオ評価を活用するために国語科の目標分析と授業づくり数学科の学習評価と確かな学力の育成問題解決学習のあり方と形成的評価単元通知票の意義と実践学校教育目標の構造化と評価の…

試験と競争の学校史                                    斉藤利彦 平凡社選書 1995 

目次 序章 競争と試験の状況から第一章 試験の風景第二章 試験制度の成立第三章 試験制度の実際第四章 試験による淘汰と教育のひずみ第五章 仕掛けとしての試験第六章 中学校における競争と淘汰第七章 進学競争の世界終章 「試験の時代」と競争 概要 受験競…

自己評価機能と社会的行動(横田澄司 酒井書店 1981) 

目次 序章 自己評価機能と社会的行動の関係第一章 強化事象による自己関与の口述上の変化 第一節 自己評価に関する諸要因の検討 第二節 社会的相互作用における社会的強化の意味(1) 第三節 社会的相互作用における社会的強化の意味(2) 第四節 自己関与…

テストで言語能力は測れるか (中村洋一著 桐原書店 2002)

目次 第一章 言語テストの基本的な考え方第二章 言語テストの作成と実施第三章 古典的テスト理論による言語テストデータ分析第四章 項目応答理論における言語テストデータ分析第五章 TDAPによる計算結果の正確さ 概要 TOEFLがオンラインで試験を実施し…

絶対評価とルーブリックの理論と実際(高浦勝義 黎明書房 2004)

目次 第一章 生きる力の育成と評価の課題第二章 絶対評価を中心とした指導要録の改訂第三章 問題解決評価観の展開第四章 評価の観点とルーブリックの作成第五章 単元指導計画の作成と評価計画の立案第六章 授業と絶対評価の展開 概要 近年、アメリカやイギリ…

新しい評価を求めて(キャロライン・ギップス/鈴木秀幸訳 論創社 2001)

目次 第一章 評価のパラダイムの転換第二章 評価と学習の関係第三章 テストのもたらす弊害第四章 妥当性と信頼性第五章 クライテリオン準拠評価第六章 パフォーマンス評価第七章 教師の評価と形成的評価第八章 倫理と公正第九章 教育評価の枠組み 概要 学力…

納得の構造 日米初等教育に見る思考表現のスタイル (渡辺雅子 東洋館出版 2004)

概要 本書は、思考のプロセスに関する日米比較を中心として、「書く」学習の基礎にある認識力や思考力の内実の違いをまとめた非常に面白い本である。 作文を書かせる際に、その内容をどう作らせるかという学習の組織には非常に苦慮するところであるが、どの…

生きる力を発揮させる国語教育 (小川雅子 牧野出版  2001)

概要 本書は、学習者の言語生活の実態を例にとりながら、国語学習における問題点を「内言」の深化という観点から解決しようとする試みを示したものである。 氏は本書を、西尾実の考えをに基づきながら、「問題と感じていることを言語生活創造の要因と考えて…

授業デザインの最前線 Ⅱ 理論と実践を創造する知のプロセス (高垣マユミ 編著)

目次 第一部 授業をデザインする視点 第二部 授業のやる気を高める視点 第三部 授業の理解をうながす視点 第四部 授業を創りあげる視点 第五部 授業を捉える視点 第六部 授業を支える視点 概要 教育心理学の諸領域がいかに現場の教育に資するかという点にお…

教育の現象学 (中田基昭 川島書店 1996)

目次 第一章 授業の暗黙の前提 第二章 生と世界 第三章 実存と生 第四章 人間関係のなかでの実存 第五章 授業の中の対話 第六章 真理と芸術 概要 昔、定番教材を扱う際の教師の潜在的意識の研究をしたことがある。学習者の反応や教材の理解が予測できるが故…